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2023/02/17
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サイフォンで美味しいコーヒーを淹れるための豆知識【検証編】

サイフォンで美味しいコーヒーを淹れるために

難しいと思われているサイフォンコーヒーは、ちょっとしたポイントを理解するだけで、本当に誰でも簡単に美味しいコーヒーを淹れることができます。サイフォンコーヒーの抽出温度は、約90℃〜約93℃で安定していることを以前のコラムで紹介しましたが、今回は抽出時間について検証しましたので解説していきます。

1日300杯、サイフォンでコーヒーを淹れる現役サイフォニストが、COFFEE ROASTERY101の実店舗である茶房あずまやで検証しました。

【目次】
1.サイフォンコーヒー検証方法
2.サイフォンコーヒー検証結果
3.コーヒーの濃度について
4.放置したコーヒーに違和感
5.まとめ

サイフォンコーヒー検証方法

すべて同じ条件のもと、第一撹拌終了から第二撹拌開始までの浸漬時間を20秒、40秒、60秒に設定してコーヒーを抽出。コーヒーの香味にどのような差があるのか検証してみました。

使用したコーヒー豆

https://shop.roastery101.com/products/el-salvador-las-nubes-shg-washed-200g

エルサルバドル ラスヌベス農園 ウォッシュド精製

フローラルな香りとナッツ系のフレーバーが特徴で、口当たりは滑らかで、上品な甘さを感じます。

抽出条件

エルサルバドルのコーヒー豆をハイローストで焙煎し、焙煎から5日後に検証。

コーヒー豆の量:20g

メッシュ:中細挽き(R-220みるっこ:3.5番)

コーヒー抽出量:240cc

【抽出開始前】

検証結果

抽出による変化

【抽出終了直後】

【コーヒー粉の残り方】

写真左から浸漬時間20秒、40秒、60秒となります。

抽出時に違和感はありませんでしたが、浸漬時間60秒のコーヒーは、第二撹拌で手に伝わる感覚が軽く感じました。

これは、コーヒー豆からしっかりガスが抜けたため、第二撹拌が軽く感じたのではないかと思います。

また、写真では分かりにくいですが、抽出後のコーヒー粉の残り方は、浸漬時間が長かった方が山形にふっくら盛り上がりました。仕上がったコーヒーの色は、浸漬時間を長くした方が若干濃いように見えました。

スタッフ3名による試飲

【浸漬時間20秒のコーヒー】

いつも通り美味しい。華やかなフローラルな香りと透き通った酸味、ナッツ系のフレーバーもしっかり感じられました。丸みのあるコーヒーで、甘さも十分感じることができる。

【浸漬時間40秒のコーヒー】

美味しいけど、少し酸味が尖った印象。ナッツ系のフレーバーは感じられましたが、やはり尖った印象が残る。その尖った印象が甘さを邪魔しているが、決して美味しくないコーヒーではない。

【浸漬時間60秒のコーヒー】

ん?当たりがキツい。酸味が強く、尖っている。苦味もあり、舌がザラつくことでナッツ系のフレーバーとコーヒーの甘さは感じられない。グレープフルーツの皮を入れたようなイメージです。

コーヒーの濃度について

検証コーヒー Brix TDS 収率
浸漬時間20秒のコーヒー 1.36% 1.08% 12.96%
浸漬時間40秒のコーヒー 1.57% 1.24% 14.88%
浸漬時間60秒のコーヒー 1.77% 1.41% 16.92%

SCAの基準ではTDSの値は1.15%〜1.35%、収率の値は18%〜22%が美味しいコーヒーと言われています。

しかしCOFFEE ROASTERY 101では、TDSの値は1.05%〜1.25%、収率の値は12%〜14%が美味しいコーヒーの基準としています。コーヒー豆の焙煎度合いも違えば、水の硬度や温度、抽出方法などをSCAの基準にすべて合わせることもできません。そのため、今現在の基準はCOFFEE ROASTERY 101のオリジナルで設定しています。

それを踏まえると、浸漬時間が長いほど濃度は濃く、過抽出気味になっていることが想像できます。これはCOFFEE ROASTERY 101が抽出したくない成分まで抽出されていることになります。

放置したコーヒーに違和感

今回検証後、2時間ほどコーヒーを放置しました。するとどうでしょう、皆さん分かりますか?

浸漬時間20秒のコーヒーはわずかに表面がくもってますが、浸漬時間40秒のコーヒーと浸漬時間60秒のコーヒーは膜がはったように何かが浮かび上がっています。

コーヒーの油分でしょうか。サイフォンコーヒーはネルフィルターを使用するため、ペーパードリップに比べるとコーヒーの油分が抽出されやすいことが挙げられます。しかし今回の検証で使用したコーヒー豆は、油分が出やすい深煎りのコーヒー豆ではなく、中煎りのハイローストです。あくまで私感ですが、ほんのり油分が抽出されたコーヒーが好きな私からすると、浸漬時間60秒という時間は何もかもが抽出されすぎた過抽出コーヒーだと思いました。

まとめ

今回はサイフォンによるコーヒーの抽出で、浸漬時間のみを変更した香味の違いを検証しました。いかがでしたでしょうか。

人間の味覚は十人十色なので正解はありませんが、COFFEE ROASTERY 101としては、今のところ浸漬時間は20秒〜30秒が一番美味しいコーヒーだと考えています。また何か変更があった場合は更新していきたいと思います。

美味しいコーヒーを淹れるために、少しでも参考になれば幸いです。

【関連記事】

「サイフォンコーヒーの抽出温度はいったい何度?」についてはこちら

「サイフォンコーヒーを始めるために必要な器具と販売価格【2024年保存版】」についてはこちら

サイフォンコーヒー講座の受講を希望される方はこちらをチェックしてね。

https://roastery101.com/news/364/

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松本安弘