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2023/01/31
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コーヒー豆の精製とは?知っておきたい4つの精製方法について

同じ農園で栽培、収穫された果実(コーヒーチェリー)でも、種子(コーヒー豆)を取り出す工程の違いで、香味は大きく異なります。

「コーヒーチェリーの構造」については以前に解説しましたが、今回はコーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出す工程を解説していきます。

コーヒー豆を購入する際に、少しでも参考になれば嬉しく思います。

【目次】
1.コーヒー豆の精製とは
2.コーヒー豆を取り出す4つの精製方法
3.ナチュラル精製の詳しい手順
4.ウォッシュド精製の詳しい手順
5.パルプドナチュラル精製の詳しい手順
6.ウェットハル精製の詳しい手順
7.まとめ

コーヒー豆の精製とは

「コーヒーチェリーの構造」についてはこちら

コーヒーチェリーの構造

収穫した果実(コーヒーチェリー)はそのまま放置すると、時間とともに腐敗していきます。そのため適切な方法で種子(コーヒー豆)を取り出し、輸送や保管に適した水分値までムラなく乾燥させる必要があります。

コーヒーチェリーからコーヒー豆を取り出し、輸送や保管に適した水分値まで乾燥させる工程をコーヒー豆の精製といいます。

世界各国のコーヒー農園では、伝統的な方法、その地域に適した方法、または農園独自の方法を用いて精製していきます。

精製方法は、コーヒー豆の商品価値に大きな影響を与える大切な工程の一つでもあり、農園主の腕の見せ所といっても過言ではありません。

コーヒー豆を取り出す4つの精製方法

コーヒー豆の精製は、大きく4つの方法があります。

精製方法 手順 乾燥状態 代表的な国
ナチュラル精製 収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させて、乾燥後に外皮、果肉、ミューシレージ、パーチメントを一度に剥ぎ取る コーヒーチェリー ブラジル、エチオピア、イエメンなど
ウォッシュド精製 収穫したコーヒーチェリーから外皮、果肉、ミューシレージを取り除いた後に乾燥させて、乾燥後にパーチメントを剥ぎ取る パーチメントコーヒー ブラジル以外の中南米、カリブ海諸国、ケニア、タンザニアなど
パルプドナチュラル精製 収穫したコーヒーチェリーから外皮と果肉を取り除いた後に乾燥させて、乾燥後にミューシレージとパーチメントを剥ぎ取る

ミューシレージの付いたパーチメントコーヒー

ブラジル、コスタリカなど
ウェットハル精製 収穫したコーヒーチェリーから外皮、果肉、ミューシレージを取り除いた後に一次乾燥させて、乾燥の途中でパーチメントを剥ぎ取り、再び仕上げ乾燥させる

一次乾燥:パーチメントコーヒー

仕上げ乾燥:生豆

インドネシアのスマトラ島など

ナチュラル(非水洗式)精製

収穫したコーヒーチェリーをそのまま乾燥させる方法がナチュラル精製です。

【異物除去】

収穫したコーヒーチェリーに混ざり込んだ草や枝、未成熟なコーヒーチェリーなどを取り除きます。

コーヒーチェリーを水に入れたり、ふるいにかけて取り除く場合もあります。

【乾燥】

アフリカンベッド(乾燥棚)やパティオ(乾燥場)にコーヒーチェリーを広げて、2〜3週間かけて乾燥させます。

定期的に撹拌したり、強い日差しから守るためにカバーをかぶせたりして乾燥ムラを防ぐ必要があり、近年では機械による乾燥を行う場合もあります。

収穫した真っ赤なコーヒーチェリーは、乾燥が進むにつれて濃い紫色に変わっていきます。色の変化や水分値をみて乾燥を終わらせます。

水分値は10%〜12%が理想といわれています。

【選別】

乾燥中や乾燥後は、不良豆や未成熟豆を取り除き、品質を高めていきます。

女性による手作業で行うことが多く、非常に手間がかかる作業ですが、良いコーヒーを作る上で欠かせない工程です。

【脱穀】

最後に脱穀機で外皮、果肉、ミューシレージ、パーチメントを一度に剥ぎ取りコーヒー豆を取り出します。

ウォッシュド(水洗式)精製

収穫したコーヒーチェリーから外皮、果肉、ミューシレージを取り除いた後に乾燥させる方法がウォッシュド精製です。

【異物除去】

収穫したコーヒーチェリーを貯水槽に入れ、水に浮いた草や枝、未成熟なコーヒーチェリーなどを取り除きます。

小石などの重たい不純物は貯水槽に沈むため除去することができます。

【果肉除去】

パルパーと呼ばれる果肉除去機を使用し、コーヒーチェリーの外皮と果肉を取り除きます。

未成熟なコーヒーチェリーは果肉除去されないので、この工程でも選別されます。

【ミューシレージ除去】

果肉を取り除いたコーヒーチェリーは、ヌルヌルとしたミューシレージが残っているため、水を張った発酵槽に12〜72時間ほど漬け込み、微生物を利用してミューシレージを発酵分解して取り除きます。

【水洗い】

ミューシレージを取り除いた後は、大量の水を使用して残った不純物を丁寧に洗い流します。

【乾燥】

アフリカンベッド(乾燥棚)やパティオ(乾燥場)にパーチメントコーヒーを広げて、乾燥させます。

ナチュラル精製と同じように、定期的に撹拌したり、強い日差しから守るためにカバーをかぶせたりして乾燥ムラを防ぐ必要があり、近年では機械による乾燥を行う場合もあります。

適性な水分値まで乾燥したらパーチメントコーヒーの状態で一時保管されます。

【脱穀】

一時保管されたパーチメントコーヒーは、出荷前に脱穀機でパーチメントを剥ぎ取り、コーヒー豆を取り出します。

【選別】

乾燥時や脱穀時に混入した異物や混ざってしまった不良豆を取り除き、袋詰めされます。

パルプドナチュラル(半水洗式)精製、コスタリカではハニー精製とも呼ばれます

 

収穫したコーヒーチェリーから外皮と果肉を取り除いた後に乾燥させる方法がパルプドナチュラル精製です。

【異物除去】

収穫したコーヒーチェリーを貯水槽に入れ、水に浮いた草や枝、未成熟なコーヒーチェリーなどを取り除きます。

小石などの重たい不純物は貯水槽に沈むため除去することができます。

【果肉除去】

パルパーと呼ばれる果肉除去機を使用し、コーヒーチェリーの外皮と果肉を取り除きます。

未成熟なコーヒーチェリーは果肉除去されないので、この工程でも選別されます。

【乾燥】

ミューシレージが付着したパーチメントコーヒーの状態で乾燥します。

【脱穀】

最後に脱穀機でミューシレージ、パーチメントを一度に剥ぎ取りコーヒー豆を取り出します。

【選別】

乾燥時や脱穀時に混入した異物や混ざってしまった不良豆を取り除き、袋詰めされます。

ウェットハル(スマトラ式)精製

 

収穫したコーヒーチェリーから外皮、果肉、ミューシレージを取り除いた後に一次乾燥させて、乾燥の途中でミューシレージとパーチメントを剥ぎ取り、再び乾燥させる方法がウェットハル精製です。

【異物除去】

収穫したコーヒーチェリーを貯水槽に入れ、水に浮いた草や枝、未成熟なコーヒーチェリーなどを取り除きます。

【果肉除去】

パルパーと呼ばれる果肉除去機を使用し、コーヒーチェリーの外皮と果肉を取り除きます。

未成熟なコーヒーチェリーは果肉除去されないので、この工程でも選別されます。

【ミューシレージ除去】

果肉を取り除いたコーヒーチェリーは、ヌルヌルとしたミューシレージが残っているため、水を張った発酵槽に24時間ほど漬け込み、微生物を利用してミューシレージを発酵分解して取り除きます。

ミューシレージを残したまま一次乾燥させる農園もあります。

【水洗い】

ミューシレージを取り除いた後は、大量の水を使用して残った不純物を丁寧に洗い流します。

ミューシレージリムーバーという機械でミューシレージを取り除く農園もあります。

【一次乾燥】

パティオ(乾燥場)にパーチメントコーヒーを広げて、水分値が40%〜50%になるまで1〜3日乾燥させます。

ナチュラル精製と同じように、定期的に撹拌したり、強い日差しから守るためにカバーをかぶせたりして乾燥ムラを防ぐ必要があり、近年では機械による乾燥を行う場合もあります。

【脱穀】

水分値が40〜50%になったパーチメントコーヒーは、業者により集荷され、脱穀機でパーチメントを剥ぎ取ります。

【仕上げ乾燥】

コーヒー生豆の状態で再びパティオ(乾燥場)に広げられ、水分値が約11%になるまで乾燥させます。

【選別】

乾燥時や脱穀時に混入した異物や混ざってしまった不良豆を取り除き、袋詰めされます。

まとめ

今回はコーヒー豆の精製方法について紹介させていただきました。

コーヒー豆は、コーヒーチェリーを収穫してから色々な精製方法を経て輸出されます。

COFFEE ROASTERY 101では、4つの精製方法で仕上げられた高品質なコーヒー豆を取り扱いしていますので、是非一度お試しください。

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